先週一週間の広島での飼育放棄犬たちの多頭レスキュー報告その2。
既に書いた通り、ピースワンコ・ジャパンさんはとっても大きいドッグラン(合計面積6,000平米!なにごと!?!?)がいくつもあって、わんこ達も幸せそうに駆け回っています。
ここには以前、愛護センターなどから保護されたわんこ達が、里親さんたちを待ちながら暮らしています。
その子たちの紹介は前回書いたので、
今回は新しく愛護センターから引き出された、33頭の犬たち
(新聞に掲載されたニュースはこちらhttp://peace-wanko.jp/54/index.html?qID=11&pg=0)
のレスキュー後の状態を紹介。
33頭いっぺんに引き取るってすごいことですよね。
その子たちのために建てた隔離犬舎(グレーのプレハブ)がこちら↓
プレハブ8棟あります。手前には「関係者以外立ち入り禁止」のふだ。
愛護センターから引き出されたばかりだと、健康状態を把握するまでは、すでに施設に暮らしている他の犬たちと触れ合わせることはできないため(おなかの虫、感染症など)、まずはこちらの隔離施設にいてもらいます。
何週間かして、獣医さんからOK出たら晴れて広大なドッグランへ!
みんなそれまでちょっと待っててね!
プレハブスタイルで、各お部屋に4~5個のケージが入っています。
クーラー付きで快適。
獣医さんのOKが出るまでお外へ行けないため、少しでもケージ内で快適に過ごしてもらうため、とにかく頻繁に見回ってお掃除。
年齢、性格、病気などで、棟ごとにどんな子がいいか調整して収容されています。
こちらは子犬棟の、ちびちゃんたち。
感染制御のため、カッパ・長ぐつ着用で手袋もします。
しょっちゅう消毒液を体に添付できて便利・・・・・ですが、暑い!!!なかなかのサウナスーツ具合。
私は中に着ているズボンもびしょびしょになり、手袋にも汗がたまるということになり、絵的にさえないので、写真はさわやかなイケメンスタッフ。いつも笑顔の佐野トレーナー(写真左)、原田トレーナー。
ちなみに佐野トレーナーは老けて見られるのを気にしているらしく、是非会ったら「19歳かと思いましたよー!」なんて言ってあげてください。実際は23歳とのこと。
こちらは仮設診療室と、獣医さん。
恐がりな子は、診療の際に咬もうとしますが、うまくあしらいつつ施術される先生の技の数々、尊敬いたします。顕微鏡で便にいる虫の卵の見方を教えてくれたり、芝刈り機の使い方を教えてくれたり・・・先生、ありがとうございました。
獣医さんに教えてもらった芝刈り機操縦術。なかなか上手になりました!
わんこ達がお散歩できる道を開拓中!
お外に水道があり、食器やケージも外で洗えます。天日干しもできて便利。
犬舎では赤ちゃんが生まれたり。過酷な状況の中で、かあさん頑張ったね!
マルチーズの子の目やにがすごいので、簡易トリミング。
おしり周りの毛もカット。SUNNYは不器用なので、昭和ぱっつんカットに仕上がってしまいました。
いや・・でも・・・もとが可愛いから・・・ね!!!
しつけのことならドンと来いのSUNNYも、カットの事となると、素人・・・。勉強します。
みなさん、現地のイメージは伝わりましたでしょうか?
素晴らしいお考えの団体さんによって、多くの命が助けられました。
今皆さんに見てもらった子たち、もしこちらの団体さんが引き取っていなかったら・・・・どうなっていたのでしょうか。一生見ることができなかったかもしれません。こんなに可愛くてみんなを幸せにしてくれるのに。
ここから、保護犬に関しての私の信念をお話します。
犬舎のお掃除に行くと、
「ヤッターーー、遊んで~!ヒマヒマーーー!!」という天真爛漫ワンコもいれば、
人を怖がったり、震える子もいます。
”悲しい・怖い”の目をしている子には、プロのトレーナーであっても心が痛みます。
愛護センターで引き取られた子たちが、今までどういった人生を歩んできたのかはわかりません。
ただ、お掃除をしながら、
「これから、毎日どんどん楽しくなるよ~!」と伝えます。
愛護や保護犬に携わるときに、ニュージーランドのシェルターで学んで今でも大切にしている考えがあります。
それは、変な日本語ですが、「かわいそうがらない」。
悲しい目をした子たち、おびえている子たちと接するときに、
「今までかわいそうだったね、つらかったね・・・」と思う気持ちは、もちろんあります。ですが、犬にはそれは見せません。
” 今まで ” はもういいのです。今これから、どんどんその子が幸せになっていけばいいのです。
「かわいそうな子」というイメージの檻に閉じ込めちゃうなんてもったいないのです。
犬の可能性は無限大。
怖がりも、咬みつき屋も、いくらでも改善されます。
私たちの気の持ちようで、どんどんハッピードッグになっていきます。
もし悲惨な状況にある犬に対峙した時、マイナスの気持ちに持って行かれないようにします。
マイナスな気持ちは犬にいい影響を出すとは思えませんし、こっちも辛いですよね。
私のパートナーである保護犬「ペろ」も、私が「かわいそう」という気持ちを出すと悲しそうな顔になります。
私も悲しくなります。
そこを一歩進んで、「これから楽しくなるぞー!どーんとこい!!」といった、大きな気持ちで犬と接することで、犬も(人も)元気になると思います。
このプラスのパワーは、ニュージーランドのシェルターのスタッフさんたちから学びました。
シェルターにいた片目を無くした捨て犬を可哀そうにと見ていたら、
「Hi,SUNNY 何暗い顔しているの?お腹すいた
の?」と聞かれ、
私が「いや、かわいそうだと思って・・・」といったら、「今ハッピーなんだからいいじゃない」とバッサリ切られました。コンマ1秒。
でも確かにそうなんです。暗いのは良くない。
ですから、皆さん、かわいそうと思われる状況の犬を見て、私が笑顔でいても、怒らないでくださいね(笑)
信念なもので!
それでは今日の報告はここまでで、失礼します。